アラサー女子、もがき記録

彼氏なし、貯金なし、余裕もなしのアラサー女子が人生を豊かにするためにもがき続ける記録

人情派ラブコメディーが好きな女子へ!【すかたん】

女子の皆さん、こんばんは。ぴよこよ。

突然だけど皆さん、小説は読むかしら?読むのならどういうジャンルがお好き?

このブログを読んでくれている方は少なからず本を読むことが好きだと思うわ。

私が好きなジャンルは現実離れしたフィクション、ファンタジーが基本的に好きね。

だから一番お気に入りの本は「ハリー・ポッターシリーズ」なの。

だけど今日ご紹介する本は、時代小説に分類される、江戸時代の大阪を舞台にした小説よ。

基本的に買う本を決める時は、表紙・タイトル・あらすじを見て買うのだけど、今回のこの本をきっかけに、作者「朝井まかて」さんの本を集めるようになったわ。

作者を見て本を買うのは今のところこの人だけね。

 

 

∴すかたん

著:朝井まかて

 

大阪ローカルの「ビーパップハイヒール」という番組で紹介されたことがきっかけで購入した本。

舞台は江戸時代の大阪、青物(青果物)問屋の河内屋。

主人公の知里は夫と共に江戸から大阪へ来たのだけれど、夫は早逝してしまう。

江戸に帰る賃金を稼ぐために仕事をするけれど、大阪に馴染むことができず長続きしない。

そんな中、天満青物市場の大店・河内屋の若旦那である清太郎と出会う。

清太郎は大店の若旦那なのにも関わらず百姓に混じって田畑をじるのが好きで、派手に遊ぶことも好き。

世間からは「すかたん」と呼ばれている傍若無人な放蕩息子。

物語は知里が河内屋での奉公を始めてから、仕事に恋に、邁進していく姿が描かれているわ。

このお話の知里は①女中奉公、②難波村の立ち売り、③幻の田辺蕪、④旦那さんとお家さんの夫婦関係、⑤若旦那との恋、を通して成長していくの。

それぞれの項目で印象に残ったセリフや描写をあげて説明していきたいのだけれど、全部解説したら盛大なネタバレになるから項目を3つピックアップして紹介するわ。

 

・女中奉公

知里が仕えるのは河内屋のお家さん(主の奥様)・志乃。きっつい性格をしていて、どこぞの小姑みたいにチクチク知里に小言を言うの。

でもそれが憎めない良いキャラなのよ。何故かというと、その小言の裏にはしっかりとしたお家さんの信条であったり、知里への優しさがにじみ出ている。

 

「先々のことを考えて精を出すんが仕事に心をこめるということや。」(p.43)

「仕事いうもんは片づけるもんとちゃいます。どない小さなことでも、取り組んだ物事の質をちょっとでも上げてこそ仕事や。」(p.57)

 

この言葉は、現代の私たちの仕事に対する姿勢にも通じるんじゃないかしら。

先々のこと、というのは単に効率を上げることではなくて、自分の仕事が他の誰かに繋がっていて、その誰かを思いながら仕事をするということ。

相手を思ってやる仕事には自然と気持ちが入るし、より丁寧にしようと思う。それが心を込めるということなのね。

それから、日々仕事に追われている私たち(もしかしたら私だけ?)は、ほんの小さな仕事だと早く終わらせることだけを考えてしまいがち。

だけどそれだけじゃなくて、小さな仕事こそより良いものにしようとすることが大切だということ。

志乃の言葉の節々には固い決意や思いが読み取れる。彼女の強さには、同じ女性として憧れるものがあるわ。

 

・難波村の立ち売り

当時の大阪の青物商いは、天満青物市場が独占していたの。

場所は今でいう天神橋一丁目・天満四丁目・天満三丁目の大川沿いよ。

市場が独占していたせいで市場内での百姓に立ち売りは禁止されていたわ。

だけどある時から立ち売りを始める人たちが現れる。聞けば出自は難波村とのこと。

市場としては面目が立たないからこれを辞めさせようとするんだけれど…というところで色々と問題が発生するの。

その中で若旦那・清太郎が言ったセリフがこちら。

 

「(中略)そやけど口銭を稼ぐんだけが商いやったら、その商いには実があらへん。実がないのに利益だけ振り回して百姓泣かせたら、そのうち、あちこちで腐れが起きる。(省略)」(p.222)

 

商売ですもの、もちろん稼ぎは大切よ、生活だってある。

近年では不況で派遣切りとかリストラが話題だけれど、それは人件費を削減したいという目先の利益だけを考えてのことじゃないかしら?

会社というのは利益だけではなく、働いている人のことも考えるべき。

そうすれば社員は会社のためにもっと頑張ろうとも思うようになる。

ブラック企業なんてものもなくなっていくと思うの。

すかたんだと言われている清太郎だけど、商人や百姓を超えたもっと大きな視点で青物商売を考えている。

そのギャップにやられる女子もきっといるはずよ!(私もその一人よ)

 

・若旦那との恋

これは物語の中でも中核と言っていい大切な要素ね。

この二人の恋路は少女漫画のような王道のラブコメディと言ってもいいわ。

トラブルメーカーに振り回される真面目だけど不器用な学級委員長。

うんざりしながらいつの間にか惹かれてしまうのだけれど、実は恋敵である学校一のマドンナがいて…という具合ね。

二人の掛け合いが読んでいて楽しいし、じれったくも感じてしまう。

久しく胸キュンしていない私のような女子にはぜひ読んでほしいわ!

知里も最初は若旦那のことをうっとうしく思っているのだけれど、ある時を境に強く意識しだすの。

その心理描写を表すのに欠かせないのが、太鼓の「どでつく、どんどん、どどどどどっ。」という音。

物語の最初からずっと太鼓は登場しているのだけれど、その太鼓の音と知里の気持ちがきれいに重なる部分がある。

それまで太鼓の音が描写される時は、目の前で太鼓を叩いているところを知里が見ている時か、その姿を思い出している時。

だけどいつからかその音は、太鼓を叩いている姿を思い描かなくても知里の中で響きだすの。

そこに知里の気持ちの変化が見えて、こちらも思わず胸を押さえたくなるような気持になる。

知里の気持ちの変化、”おもろい恋”の行方は必見よ!

 

 

筆者である朝井まかてさんは直木賞を受賞した方なので、知っている人も多いかもしれないわね。

わたしは彼女の作品だと、この「すかたん」が一番好きなのだけれど、他にもおもしろい話はたくさんあるわ。

読みためているものを読み直したらまたご紹介するわね。

朝井まかてさんが秀逸なのは、情景や物の描写。

特にお野菜や食べ物の描写が素晴らしくて、読んでいるだけでおなかがすいてくるわ。

本当におすすめの作家さんよ!

 

 

ここまで読んで下さってありがとう。

それでは女子の皆さん、ごきげんよう。