アラサー女子、もがき記録

彼氏なし、貯金なし、余裕もなしのアラサー女子が人生を豊かにするためにもがき続ける記録

オモチロイ純文学が読みたい女子へ!【夜は短かし歩けよ乙女】

女子のみなさん、こんばんは。ぴよこよ。

今日の本はタイトルを読んでピンときた人もいるんじゃないかしら?

おととしアニメ映画化されて、6/11には地上波で初放送されるそうよ。

こういう、原作を映像化した作品って、原作と違うところがあるからそれを探すのも楽しいわよね。

ちょうど11、12日とお休みだから見てみようかしらん。

 

 

∴夜は短かし歩けよ乙女

著 : 森見登美彦

 

主人公の”先輩”と、彼の想い人である”黒髪の乙女”が読者へ語りかけてくる、ちょっと不思議な青春ストーリー。

冴えない男子学生である先輩がいかにして黒髪の乙女とお近づきになるか、天然で純粋な黒髪の乙女はいかにキャンパスライフを謳歌するか。

ちょっと不思議な京都を舞台に、個性的な人々達に巻き込まれていく二人。

 

私はひねくれた性格だから巷で流行っているベストセラーには手を出さず、マイナーな本を発見してほくほくするのが好きなの。

でもこの本は流行っていた時にお友達からプレゼントされて読んだわ。

この本がおもしろいのは、先輩の自尊心の高さ、黒髪の乙女の可愛らしさを、独特の文体で書きあげているところね。

長い文章や回りくどい表現を読むのが苦手な人だと少し苦労するかもしれないけれど、想像力をとても刺激される一冊よ。

全部で4章に渡って先輩と黒髪の乙女の攻防(?)が繰り広げられているわ。

今回は各章で印象に残った台詞や一節を使ってこの本をご紹介するわね。

 

1. 夜は短し歩けよ乙女

「若人よ、自分にとっての幸せとは何か、それを問うことこそが前向きな悩み方だ。そしてそれをつねに問い続けるのさえ忘れなければ、人生は有意義なものになる」(p.21)

とっても素敵な言葉でしょ?この言葉を言ったおっさん、酔いどれのスケベ親父なんだけど。

よく「幸せになりたい」って言うけれども、そもそも自分の幸せって何なのかしら?

例えば私の幸せだけれど、素敵な結婚をして、お金持ちをになって、大きな家を買って、子どもも二人ぐらい産んで、毎年海外旅行に行って、好きな事だけをしてお金を稼いで…。

でもこれって本当に幸せ?見かけだけじゃなくて?

こうやって自分の幸せの本質を問い続けると、案外幸せってそういうものではないのかもしれない。

もしかしたら本当の幸せはすぐ近くにあるのかもしれない。

そういう大切なものを見落とさないために、問い続けることが大切なのよね。

 

2. 深海魚たち

”彼女は文庫本を手にして無闇に熱心に読んでいる。本を読んでいる姿が魅力的なのは、その本に惚れ込んでいるからに違いない。”(p.82)

古本市で本を読んでいる黒髪の乙女を見た先輩の心のうちよ。

一歩間違えるとストーカー並に黒髪の乙女がいる先々に現れる先輩。

よく”何かに打ち込んでいる姿は素敵”という言葉を聞くけれど、きっと先輩の目にも黒髪の乙女がそう映っていたのね。

何かに夢中になっている時って、周りが目に入っていないことも多い。

それでも一生懸命な姿を誰かは必ず見てくれている。本を読んでいる姿でさえ見てくれている人だっているんだもの。

「こんなに頑張っているのに…」と落ち込みがちな私たちを元気づけてくれる一節じゃないかしら。

 

3. 「あんた、一期一会という言葉を知っているか。それが偶然のすれ違いになるか、それとも運命の出逢いになるか、すべては己にかかっている。」(p.231)

パンツ総番長の言葉よ。なんだか心に刺さる言葉ね。

恋愛でも友情でも、なんでも人との出会いは一期一会。

出逢いを一生のものにするためにも、その出逢いを大切に育む必要があるのよね。

大人になるにつれて私たちは人との関わりに関して、良い意味でも悪い意味でもドライになっていくと思うの。

新しい関係を築くには分かり合うための時間であったり、一緒に食事をするためのお金が必要になってくる。

だけど日々仕事や趣味に追われて何かと忙しい私たちは、そこに割く時間やお金を捻出することが億劫になってしまう。

そうすると、新しい交友関係になかなか踏み出せなくなってしまう。

でも、一期一会の出逢いは一瞬で過ぎ去ってしまう。一歩踏み出す勇気が、私たちには必要なんだと思うわ。

 

4. 魔風邪恋風邪

”私は布団を頭まで引き上げて丸くなり、自分で自分の身体を抱いた。抱いてくれる者も、抱いてやる者もいないがゆえの、やむにやまれぬ自給自足である。”(p.263)

…冴えない生活を送っている男の子の、なんとも悲しい心情を表しているわよね。

この先輩というのは自尊心が高く、一歩引いて「あーバカやってるなー」と冷めた目をして周りを見ている皮肉屋。

クラスに必ず一人はいたような男の子ね。そういう自分がカッコいいと思っているような子。

対して黒髪の乙女はとても素直で天然で、楽しいものにワクワクしながら向かっていく純粋な女の子。

人はないものねだりと言うけれど、自分とは対照的な性格である黒髪の乙女に先輩が惹かれるのも無理からぬ話なのかもしれないわね。

草食男子という、恋愛に奥手な男の子を表す言葉があるけれど、この先輩もその一人。

黒髪の乙女に真っ向から向かっていくことも、思いを告げて玉砕することも怖がり、なんとか外堀を埋めようとしているの。

恋愛に奥手な男女が増えた昨今で、私たちが男心を知るためにも、この草食系男子代表の先輩の言動を学ぶのもいいかもしれないわね。

 

純文学と大衆文学の違いは、芸術としての美しさに重きを置くか、内容に重きを置くからしいわ。

純文学の文体に慣れない人もいるだろうけれど、とても可愛らしいお話だから、まだ読んでいない人はぜひ読んでみて。

 

  

ここまで読んでくださってありがとう。

それでは女子のみなさん、ごきげんよう。